大判例

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名古屋高等裁判所 昭和26年(う)77号 判決

原判決が其の理由の冒頭において「被告人は徒食し、小遣銭に窮していたところ」と認定したことは所論のとうりであるが、右は刑事訴訟法第三百三十五条第一項に所謂罪となるべき事実に属しないから之を証拠によつて説明する必要はない。右事実を認めた証拠を原判決に挙示しなかつたとてそのために理由のくいちがいを生ずるものではない。而して原審において取調べた被告人に対する司法警察員の供述調書の記載によれば、判示冒頭の事実を認めることが出来るから原判決は証拠によらずして事実認定したものでもない、又原判決が証拠として司法巡査の現行犯人逮捕手続を引用していることは所論のとおりであるが、右逮捕手続書は作成者たる司法巡査の具体的事実の陳述に止まり何等作成者の想像又は意見をまじえた記載はないから事実認定の資料に供し得るものといわなければならない従つて原判決は所論の如く証拠価値のないものを採証に供した違法はない、論旨は理由がない。

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